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身体に異変を感じ、いつもと違う感覚と不安になると病院にいきます
皆さんが病院やクリニックで医師の診察を受けると、医師はみなさんの病気の状態や治療の内容、今後どうなっていくのかについて説明をしてくれます。
しかし、その説明について理解できないとお困りの患者さんは非常に多いように思います。
医師は説明しているはずなんですけど一部の患者さんには伝わらない、なぜこんなことになるのでしょうか?
みなさんが医師の説明を理解できなければ、診察を受けた意味がありませんし、無用な不安を抱えることにもなります。
今回は、医師の説明が理解できない(わかりにくい)原因を解説して、その対策をお伝えします。
原因①医学用語は難しい
医師は素人に理解できない西洋医学を学んでいます。そして、医師が使う西洋医学の専門用語は素人には理解できません。
いわば、外国語のようなものですので、その言葉を知らない素人にはそもそも難しいです。
ややこしいのは、同じ日本語なので聴き取りはできるけど、意味はわからないというところです。このために、「なんとなくわかるような気がする」となります。
医師は患者さんへの説明の際にはできるだけ医学用語を使わないように心がけていますが、専門用語を使わないと、話が複雑になってしまい、かえって分かりにくいことになってしまう為に用語が難しくても使用されます。
そもそも、素人にわかりやすく説明すること自体が難しいことですね。
原因②医師が忙し過ぎて詳しく説明できない
医師は本当に忙しく、患者さんひとりひとりとゆっくりお話しする時間がない場合が多いです。
時にイライラしていることもあり、患者さんは聞きたいことが聞けないとお困りの患者さんも多いです。
お医者さんは多くの患者さんを抱えているために、一人の患者さんに十分な時間をかけて説明することはできません。
そうなると、必要最小限のことだけ伝えようとします。そもそも難しい医学理論ですが、必要最小限だけを伝えることで、更に理解しにくくなるのですね。
原因③丁寧に説明を受けたけどわからない
患者さんが理解できるように時間をかけて説明してくれる非常に丁寧な医師もいます。
しかし、それでもわからないことは多いです。
もしかしたらその医師は、時間をかけているだけで、外国語のような専門用語をかみくだいていない可能性があります
それでは患者さんは理解できません。
また、患者さん側に原因がある場合もあります。
医師がかみくだいて説明したとしても、「先生のお話は難しい」と最初から患者さんの脳が話の理解を拒否している場合です
また、診察場面ではなにかと緊張しますので脳が上手く働かなくなることもあります。
同じ説明を診察室の中で聞くのと、リビングに置いてあるこたつに足を入れながら普通の会話として聞くのとでは、緊張の度合いの違いから、きっとよく理解できると思います。
原因④医師の説明が周囲から聞いた話と違う
痛みや体調不良でお悩みの患者さんは症状を感じた時に、その症状についてネットで情報を集めたり、同じような症状でお困りの人に相談したりします。
自分の症状の原因は何か?
どんな治療や薬で治るのか?
なおるまでどれぐらいの時間かかるのか?
専門の医師や治療家はどこにいるのか?
などについての情報を集めようとするのです。
そのようにして症状や病気のイメージができあがっていくのですが、そのイメージが医師の説明と合致しないことでお困りの方によく出会います。
自分で集めた情報が正しいのか?
それとも医師の説明が正しいのか?
これまで集めた情報をもとに、いろんな薬や治療法を試したりしてきた患者さんにとっては、
これまで得てきた知識や経験を捨てて(間違えているとして)、医師の説明を受け入れることに抵抗を感じる人も多いようです。
医師の説明は医学的に(理論的に)正しいことがほとんどですが、
「医学的に正しいこと」と、
「あなたの症状を解決するための正解」が、
全く同じではないこともあるのです。
この問題は本当に難しい問題です。
原因⑤そもそも原因がないので説明できない
患者さんが感じる身体の異常が、医学的に説明つかないことはよくあります。
この場合、医師は「検査では異常がありません」と言葉を使用します。
医師の仕事は医学理論をもとに病気(異常)を見つけて、その病気(異常)に対して具体的に治療を行います。
しかし、病気(異常)が見つからない場合、治療の仕様がないのです。
医師は「検査で異常がない」といいますが、あなたは間違いなく症状を感じるという場合です。
この場合、医師は症状について説明することができなくなります。
この状況は「医師の説明がわからない」ということではないかもしれませんが、原因が理解できないという状況においては同じことですね。
当院にできること
当院では、「医師の説明がわからない」と多くの患者さんから相談されます。
その際には、医学的な診断を行うことはできませんが、医師への相談の方法や解釈の方向性を一緒に考えることができます。
また、
「原因がわからないといわれた」、
「検査をしても異常がないといわれた」、
とお困りの患者さんに対しては、鍼灸施術や整体、筋膜施術ではどのように対処できるのかについて詳しく説明しております。
お困りの方は一度ご相談ください。
参考文献
邑本 俊亮:患者-医師関係での認知心理学患者は医師の説明をどのように理解するのか.日本内科学会雑誌,100 巻 6 号 p. 1700-1704,2011.