目次
はじめに
「頭が痛い」という言葉には、頭痛を指す場合と、悩みが尽きないという意味を表す時がありま
す。つまり、頭の痛みと悩み(ストレス)は切っても切れない縁があるということでしょうか。
厳しい経済状況、複雑な人間関係などのストレスにさらされ、しかもストレスに弱くなっている
現代人。
頭痛で悩んでいる人は多い事でしょう。
不安が頭痛を強くします
頭痛で苦しんでいる人にとっては、とても深刻な問題なのに、「たかが頭痛くらいで…」と軽く
見られる事が多いものです。頭痛で苦しむ自分が弱いのかと、自分を責める気持ちになったりす
る人もいるでしょう。
頭痛に限らず、痛みは心理的影響が大きいものです。不安が頭痛を強くします。
頭痛を軽く、楽にするためには、まず不安をなくす事です。その為には【頭痛】について良く知ることです。
自分の頭痛が、危険なものではない事がわかれば、ずっと心が楽になります。自分の頭痛について
よく理解することで、リラックス出来るようになり、頭痛は軽くなっていきます。
脳の病気の心配がぬぐえない人は、ためらっていないで神経内科や脳神経外科に行って見ましょ
う。
不安がっているだけでは頭痛は治りません。「頭痛を治そう」というあなたの気持ちが大切
です。そんなあなたを私は応援します。
危険な頭痛を見分ける
頭が痛い!その痛み…
いつもと違いますか?突然ですか?
善玉と悪玉の見分け方です
ここが、ポイントです。
頭痛がすると、頭の中に異常が起きているのではないか、何か大きな病気ではないのかと不安に
なります。
しかし、頭痛にも善玉と悪玉があって、繰り返し起こっても、心配のない頭痛もあります。むしろ
善玉頭痛の方が圧倒的に多いです。
とはいっても、「命の危険性がある」病気が背後に隠れている悪玉頭痛の存在は無視できません。
そこで大切になってくるのは、善玉と悪玉の見分け方です。
善玉頭痛は頭痛が持病の「頭痛持ち頭痛」で「一次性頭痛」と言います。
どんなに痛みが酷くても、命に差し支える事はありません。
「いつもと違う」と「突然」がキーワードです
悪玉頭痛は、脳や身体に病気があって起きるもので、「二次性頭痛」と言います。くも膜下出血や
脳腫瘍などの病気があっておきます。
善玉と悪玉を見分けポイントは、「いつもと違う」と「突然」がキーワードです。
麻痺をともなったり突然激しく痛んだ場合は、悪玉の可能性が大です。すぐに、脳神経外科、神経内科にかかりましょう。
善玉頭痛には三兄弟がいます
善玉頭痛には三兄弟がいます。
善玉頭痛は「一次性頭痛」と呼ばれています。
身体や頭に特に異常があるわけでもないのに、頭痛が繰り返し起こるもので、慢性頭痛とも習慣
性頭痛とも言われます。
頭痛に悩まされている人のほとんどがこの善玉頭痛です。人によっては激しい痛みを伴う事もあ
りますが、命に関わることはありません。
善玉頭痛を個性豊かな3人の兄弟にたとえてご紹介しましょう、女性に多く見られる頭痛は女の子、男性に多く見られる頭痛は男の子にたとえてみたら、こうなりました。
長女は、脈が打つようにズキンズキンと痛む【片頭痛】次女は、筋肉のコリからくるため、頭痛が
ジワーッと重くなる【緊張型頭痛】3番目は長男で、ある一定期間、片目のあたりが痛む【群発性
頭痛】です。
3にん合わせて、善玉頭痛三兄弟です。あなたの頭痛は誰でしょうか?
それぞれの個性を十分に知って、上手に付き合う方法を身につけましょうね。
【片頭痛】の見分け方
片頭痛という名の通り、片側だけズキズキ痛まないと片頭痛ではないとされてきましたが、両側痛
む事も珍しくありませんし、酷くなると頭全体が痛む事もあります。
その頭痛は繰り返しますか?
月に何回か、時々起こります。毎日ではありません。頭痛のない日は普通に生活できます。
横にならずにはいられない
酷くなりと、家事や仕事が手につかなくなるなど、日常生活に影響が出ます。動くとガンガン響
いて辛いので、休むか横にならずにはいられません。
吐き気がするし、吐くことも
胃が悪いわけでもないのに、吐き気がしたり、実際に吐いてしまったりします。
女性に多いのが【片頭痛】
多い人は週に1回、月に1~2回、年に数回、頭痛に襲われます。
ズキンズキン、時にはガンガン痛むのが特徴です。
片頭痛は、日本人の成人の8%が悩まされておる頭痛です。
特に、女性に多く見られるのが特徴で、男性の4倍です。
思春期の頃から多くなり、60歳頃にはなくなってきます。一番悩まされるのは30代です。
片頭痛の4分の1は子供の頃からすでに始まって、ほとんどの人が30歳までに発症しています。
多い時で週に1回、平均には月に1~2回、少なくて年に数回程度、脈打つように「ズキンズキン」
「ガンガン」痛みます。
痛む場所は、頭の片側のこめかみから目のあたりに起こる事が多いのです。が、4割の人が両側痛
むと言います。後頭部が痛む場合もあります。酷くなると、頭全体が痛んでくるようです。
痛みは、夕立が降るように発作的に起き、4~72時間持続します。身体を動かしたり、力んだり
すると痛みが酷くなります。階段の上り下りなどの日常生活動作でも痛みが増し、酷くなると寝
込んでしまいます。
ホットする週末に襲ってくる
ストレスの関連が言われています。
頭がよくて、仕事もできる、そんなあなた起こります。
ストレスが大きな誘因と考えられますが、不思議なことにストレスがかかっている最中より、解
放された時に頭痛が起こりやすいのです。
仕事から解放される週末になると頭痛が起きる「週末頭痛」に悩まされている人も少なくありません。緊張していた血管がゆるむためでしょう。
女性ホルモンの変化も引き金になりやすいものです。生理の前後、ホルモンの量が、急激に変化
する時期に起こる事が多いようです。
睡眠が不足すると頭が痛くなるというのは、多くの人が経験していると思いますが、逆に過剰な
睡眠が頭痛の誘因になっている事もあります。週末の寝だめが頭痛をよんでいる事もあるようです。
片頭痛を起こしやすい人は、母親が片頭痛であったとか、几帳面な完璧主義者かもしれません。
片頭痛は遺伝する病気ではありませんが、起こしやすい体質は遺伝します。
又、頭が良くて仕事の能力も高く、社会的な評価も高いのですが、頑固な側面も持ち合わせてい
る。そういう性格の人に片頭痛持ちの人が多いという傾向があるようにです。
これが緊張性頭痛です
日本人に最も多いのが緊張性頭痛です。痛み始めも終わりもはっきりしない、ダラダラと続く痛
み。寝込むほどではないから、痛む頭を抱えて仕事を続けなくてはならない、辛い頭痛です。
日本では「頭痛(ずじゅう、ずおも)」といい、頭に重石をのせられているような、はち巻をしてい
るような痛みが特徴です。
孫悟空の頭にはめられている金輪のように、ストレスを感じると頭が締め付けられます。
うっとうしい痛みが続きます
頭痛の持続は様々で、30分ですむ事もあれば、7日間ほど続く事もあります。いつのまにか始まっ
て、重い雲が垂れ込めた梅雨空のように、ダラダラとうっとうしい痛みが続く事もあります。
日常生活に不自由はないですが…
痛みの程度は、軽度から中等度なので、日常生活は普通に送れます。身体がだるく、目が疲れた
り、めまいを伴ったりしますが、なんとか仕事は続けられます。
ストレスが大きな原因です
頭痛の7~8割を占めるのが、緊張型頭痛です。日本では成人の22%、2200万人がこの頭痛で悩
んでいます。女性にも男性にも見られ、中高年に多いようです。
ストレスが大きな要因で、いつとはなしに始まって、ダラダラと続く事が多く、月に数回から毎
日続くという人まで様々です。
悪い姿勢や一定の姿勢を続け、目を酷使したりすると、肩が凝り、頭痛が起きてます。パソコン
を長時間使う人などに起きやすいのが、この頭痛です。
枕の高さが合わない、首の筋肉が弱いなどの身体的ストレスも神経や筋肉の緊張を高めるので、
不安感の強い人、うつ状態の人にも緊張型頭痛が起こります。
圧迫感、緊張感、頭重感が特徴です。痛みは強くないのですが、ズーンと重く締め付ける感じが、
気がつくと始まっていて、いつまでも続きます。
寝込むほどではないので、日常生活は普通にできますが、身体はだるく、辛いものです。
鼻の病気や、顎関節症、メガネの度が合わないといった原因で起きる事もあります。
これが群発性頭痛です
片頭痛によく似てますが、ある時間毎日のように痛みます。
片頭痛や緊張型頭痛に比べると数が少ないので、あまりに知られていませんが、20~30歳代の男
性に多い、非常に激しい痛みを伴うのが群発性頭痛です。
どちらか片側の目、目の上、こめかみあたりが突然激しく痛みます。片側が痛むところが片頭痛
と似ていますが、片頭痛が月2回程度なのに対して、ちょうど群発地震のように、ある期間毎日
のように痛みます。
いったん頭痛が起こり始めると、連日のように1日1回痛みが群発し、それが1~2ヶ月続きます。
その時期が過ぎると頭痛は起きなくなりますが、それで治ったわけではなく、次の年や2~3年後
に、同じような時期に再び頭痛が始まり、これを繰り返します。
激しい痛みが特徴で、「目をえぐられるような」「頭を抱えて転げまわるような」と表現されるほ
どです。片頭痛は痛む時身動きできませんが、群発性頭痛はじっとしていられなくて、頭を叩いた
り壁にぶつけたりしたくなる事もあります。
群発性頭痛の見分け方
睡眠中に起こる事が多く、痛みで目を覚まします。痛みは1時間程度、短い時は15分、長いと3時
間くらい続きますが、自然におさまります。
痛み以外に、痛む側の目の充血や涙が出たり、まぶたが下がったり、腫れたりするという目の症
状と、鼻がつまったり、鼻汁が出るという鼻の症状を伴う事があります。又、顔に汗をかいたり
する事もあります。
群発性頭痛の原因は、血管の拡張が関係していると考えられています。
頭痛の起こる時期に、アルコールを飲んだり、狭心症の治療薬であるニトログリセリンを服用す
ると、血管が拡張するので、頭痛が引き起こされます。この時期は注意が必要です。
お風呂に入ると頭痛はシャワーにするなどの工夫も必要です。ストレス、疲労、睡眠不足なども
誘因になりやすいので気をつけたいものです。
転げまわるくらいの痛みが特徴です。
激しい痛みが特徴です。いたたまれなく、転げまわったり、痛んでいる最中に頭を自分で叩いた
りする事もあります。
鼻水や涙、汗が出たりします。1時間程度で自然におさまってきます。
目のまわりや目の奥が痛くなります。連日のように起こります。
頭痛が起きるのは、必ず片側で、片側の目の周囲や目の奥が激しく痛みます。
しかも、痛みが起きる時は、たいていいつも同じ側が痛みます。
1~2ヶ月の間、連日のように起こります。